誌上シンポジウム“新生児”・7
<Discussion> 新生児の呼吸障害(下)
小林 隆
1
,
島田 信宏
2,3
,
村田 文也
4
1東大産婦人科
2聖母病院産婦人科
3慶大産婦人科教室
4都立母子保健院小児科
pp.643-651
発行日 1967年8月10日
Published Date 1967/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203747
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司会 ありがとうございました。それではこれから討論に入りたいと思います。産婦人科では,少なくともわれわれの時代には,まず粘液を吸引したのち皮膚に物理的な刺激,たとえば脊中をたたくとか,摩擦するとか,あるいは冷熱交互の温度刺激を加え,屈伸法による人工呼吸をやり,一方ビタカンファーの注射をするぐらいで酸素は与えなかつたように思うのです。今日では酸素は勿論ですが,今先生のお話を聞きますと,血液そのものの状態を改善するところまで進歩してきたのは大したものですね。
昔はSchultze法とか,諸方法によつて赤ん坊を部屋の中で振り回すという,かなりprimitiveなことをやつたわけです。今はそんな荒つぽい方法はcontraindicationですが昔のそういう荒つぽい方法にも多少はいいところがあつたように思われるのです。陽陰圧蘇生器でぱかぱか自動的にやつていてもなかなか泣かない。そこで胸を押すとか屈伸法をやると急に泣き出すこともよくありますからね。先ほど言われた脊柱をこする方法も昔のいい面をとり入れていることになりますね。
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