グラフ 新生児の観察シリーズ・1
新生児の呼吸障害とレ線写真
島田 信宏
1,2
1慶応義塾大学医学部産婦人科教室
2国際聖母病院産婦人科
pp.607-610
発行日 1967年8月10日
Published Date 1967/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203737
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新生児の生後間もない死亡原因の多くは呼吸障害である。生後2〜3時間頃より呼吸困難を示す肺硝子膜症,あるいは出生時よりひきつづいて呼吸障害を示す肺拡張不全,羊水吸引症候群など代表的な疾患であるが,最近ではR.Usherらが輸液療法を開発して以来,治療面でも大いに進歩してきた。我々が新生児の呼吸障害を発見したら,その発見時期,呼吸障害の程度,症状をよく観察したのち,レントゲン写真の撮影を行なつて,診断をしてほしいのである。症状からも,聴診からも診断できない種々の胸廓内の異常が発見され驚かされる時がある。私達の新生児室では,この1年間総分娩数2,500例中28例の呼吸障害を示す新生児を治療した。ここにその呼吸障害の症状やレ線像を図示して解説を加えてみた次第である。
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