Japanese
English
総説
レ線骨盤計測について
Radiological measurement of pelvis
今村 弘
1
Hiroshi Imamura
1
1熊本大学医学部産婦人科学教室
pp.27-31
発行日 1959年1月10日
Published Date 1959/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201881
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
緒言
由来分娩の難易を予想するには大骨盤を外計測して判定しているが,大骨盤は実際に分娩の難易に関係する小骨盤の形状,大きさ,特に内径とは間接的関係を有するに過ぎない。従つて外計測値と分娩の難易とは必ずしも平行関係でなく(Wil-liams 1922),Colcher & Susman (1949)も外計測や内計測のみでは分娩の予後を判定するのに不十分であるとしている。実際外計測は不正確のそしりをまぬかれぬし(Thoms),真結合線の内計測は高度の狭骨盤以外は極めて困難である。更に児頭と骨盤との釣台を内外計測で判断するのはいうべくして行われない難事である(Williams)。そこでThierstain (1956)が米国のTeachingcenter 192ヵ所で調査した所,50ヵ所(26%)では外計測は殆んど用いられず,他の所でも大多数は,外計測は無意味であるが簡便なために,単に骨盤の外観を知るために用いている程度で特にその中の15ヵ所では初産婦全例にレ線骨盤計測を行い,他の177ヵ所でも妊娠の75〜5%にレ線計測を行つている。然し妊娠末期の妊婦凡てに実施している所はない,撮影時期は大多数のクリニーク(94.2%)は分娩予定日前6週間以内で,妊娠初期に実施している所は僅かに5.8%である。
Copyright © 1959, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.