私の座右書
Martiusの教科書など
山本 晧一
1
1東京大学産婦人科
pp.1003
発行日 1966年12月10日
Published Date 1966/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203609
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専門領域における座右書とは,事ある毎にひもといて参照する常備の書物のことであろうが,産科学,婦人科学,手術学のそれぞれにそういう書物があり,その一冊だけを選ぶことはむずかしい。
しいてあげれば,Martiusの著書が私にとつてはそういつた類の書物である。Martiusの一連の著書は内容が教科書的で,詳しい事項や最新の知見などを調べるのには必ずしも適切ではない。それにはそれに応じたモノグラフィーなり叢書なり,あるいは雑誌なりを参照しなければならない。したがつてごく概念的な大要や定義などを念のために確認したり,手術手技の大要を復習する時などに使うが,それよりもむしろ,折にふれて何を調べるということもなく拾い読みすることが多い。簡潔にして要を得た,この著者の書物独特の挿図を眺めるのは楽しいし,格式ばらない流麗な文章を拾い読みすることも楽しい。
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