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抗てんかん薬の催奇形作用に関する研究は欧米からすでに30篇あまり報告され,本邦でも1,2の論文5,16)が発表されている。そして,薬剤服用中のてんかん女性の妊娠の場合,奇形児出現の頻度が服用していない妊娠の場合より2〜3倍高いことが示唆されて来ている。しかし,その奇形発現率の高いことが単純に抗てんかん薬に起因するか否かについての結論は容易でなく,てんかんそのものの病因や病態あるいは重症度,またはてんかん女性の有するその他の背景因子などについての充分な検討が必要であり,いたずらに薬剤の危険性についてのみ言及すべきでない。また仮りに若干の危険性が明らかにされた場合も,てんかんの薬物療法が長期間にわたり,その多くは薬剤投与の中断が困難であることから,実際の臨床場面で必要な具体的な治療方針を生みだすことが重要であろうと考えられる。
これまでの本邦の報告は疫学的にみて研究の対象とした症例数が少なく,明確な結論を導き出しうるまでには至っていない。そこで今回われわれは,本邦においててんかん診療にあたっている多施設の参加のもと,広汎に対象症例を収集し,てんかん患者の妊娠の経過,その帰結および出生児の異常の有無などについての資料を得て,抗てんかん薬の催奇形作用の有無を明らかにし,治療にあたっての具体的指針を見出すべく,詳細な分析を行なった。
Abstract
We have carried out nationwide research on the congenital anomalies derived from antiepileptic drugs with eleven neuropsychiatric facilities in Japan. The total number of pregnant cases collected by July 1977 was 948, of which 46 were excluded because of pregnancy prior to the onset of epilepsy and the remaining 902 cases were investigated, brought by 453 women with epilepsy.
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