私の座右書
適切な手術書—"Käser&Iklé"
石原 力
1
1中央鉄道病院産婦人科
pp.833
発行日 1966年10月10日
Published Date 1966/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203576
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「私の座右書」という題で執筆を求められたが,おそらくこれは専門についての意味であろう。人生の問題や趣味の事柄になると,1冊の本を座右においてそれから終始教えられるということもあるだろうが,領域の広い産婦人科における専門書ということになれば,どうしてもただ1冊だけにたよつてそれで十分だというわけにはゆかない。
特に,戦後急速に進歩した医学の分野においては学術書の生命は短いのである。もつとも本の生命をながくするためにたえず改版を重ねているものもあつて,たとえばNovakの"Gynecological and Obstetri—cal Pathology" De Lee-Green—hillの"Principles and Practiceof Obstetrics"などのように,改版によつて別の書物かと思われるようなものもある。こういつた事情からすれば,ただ1冊の旧版本を後生大事にいつまでも座右においておくなどということは良心的に許されないことであるかもしれない。
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