薬の臨床
新生児哺育におけるブドウ球菌感染の予防について—特にpHisoHexの洗浄効果に関する検討
張 南薫
1
,
野原 俊一
1
,
福永 完吾
1
,
杉山 心一
1
,
国井 勝昭
1
,
石鍋 孝
1
Nankun Cho
1
1昭和大学医学部産婦人科教室
pp.845-852
発行日 1966年10月10日
Published Date 1966/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203579
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はじめに
近年の入院分娩数増加に伴う新生児のホスピタリズムの発生増加は,産科における大きな関心事となつている。これら新生児のホスピタリズムのなかでも,新生児感染症は,抗生化学療法剤の発達した今日でも,重要な部分を占めていることは周知のことである。
20年来,新生児期における感染症起因菌の主役は,ブドウ球菌に占められている。ことに,最近では,耐性ブドウ球菌感染症が,新生児哺育における重要問題であることは,報告にみられる通りである1)2)3)。従つて,新生児哺育室におけるブドウ球菌感染の予防については種々の試みがなされている。1952年,Farquharsonら2)はHexachlo—ropheneが新生児哺育におけるブドウ球菌感染の予防に有効であることを報じて以来,Pennoyerら3)Baldwinら4)は同じくHexachloropheneがブドウ球菌感染の予防に効果的であることを報告した。
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