特集 産婦人科医のための臨床薬理・2
栄養と肝臓のための薬物
澤崎 千秋
1
,
柳澤 洋二
1
Chiaki Sawasaki
1
1日本大学産婦人科
pp.721-727
発行日 1966年9月10日
Published Date 1966/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203553
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はじめに
生体にとつて栄養という問題は最も密接した分野にもかかわらず,その研究の困難さから一部の学者を除いては従来よりあまりかえりみられなかつた。しかし近年自然科学のめざましい発展につれ,栄養学も次第に発展し,基礎的臨床的成果が次々に発表されるに及び,栄養剤は"単なる栄養補給剤"から次第に"疾患に対する治療剤"としての価値が高く評価されるようになり,栄養剤は次第に今日のごときめざましい発展をとげるに至つた。一方栄養学の発展に伴い,生体内における各栄養素物質代謝過程の様相とそれらの相関関係が次第に明らかにされ,様々の代謝環がビタミン,酵素,ホルモンなどによつて動かされ,それらが相互に協力もしくは共軛していることが明らかになり,しかもそれら無数の複雑な代謝過程が主に肝で行なわれている事が実証されるに至り,肝のための薬剤が著しい進歩発展をとげるに至つた。以下栄養と肝臓のための薬物について概説する。
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