年間テーマ--診断から治療へ 分娩進行の異常
娩出機転の異常—頭位における児頭回旋を主体にして
澤崎 千秋
1
Chiaki Sawasaki
1
1日本大学医学部産科婦人科学教室
pp.567-574
発行日 1975年8月10日
Published Date 1975/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205210
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胎児の娩出機転は,母体内における母・児相関した複雑な生物物理学的現象であるから,その相関の態様と観点のポイントによつて,さまざまな解釈がなされている。それらをすべてここに解説するには与えられたペースも少なく,また筆者の力も不足し,それを補う時間もない。そこで執筆依頼の趣旨を汲みとつて,頭位分娩における児頭回旋異常の臨床的意義を,筆者の過去40年にわたる研究と経験を基にして以下解説する。
それには,まず順序として,児頭回旋の正常と異常の判定規準とそのために必要な回旋実態の表現法を述べ,ついで回旋異常の発生因子,かくして発来した経過の解釈,それに対応した処置の方針を記す。
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