MY THERAPY in Series・43
腹腔内細胞の細胞診—遠沈法とMillipore Filter法について
小川 重男
1
1東京慈恵会医科大学
pp.370-371
発行日 1966年5月10日
Published Date 1966/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203477
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われわれは,卵巣腫瘍の良悪性を術前に判定する目的と術後再発を確認する目的で,腹腔内細胞の細胞診をroutineに採用しているのでその要点を述べ,実地医家各位の御追試をお願いしたい。腹水採集—細胞成分収集—固定—染色—鏡検の順序は,通常の尿沈渣と腟内容細胞診とを合したものと考えればよいが標本作製上2,3注意しなければならない点がある。
まず腹水の有無であるが,教室の成績では卵巣充実性腫瘍中腹水陽性は79.2%で,この中には20ml〜50ml位の少量の症例が多く含まれており,実際に腹水採集可能と考えられる場合はほぼ5%である。したがつて検査前に腹水貯溜の状態を観察し,穿刺部位,採取法を後述のごとく選定することが必要である。
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