新しいキットの紹介
血中インスリン測定法—ラジオイムノアッセイにおける濾過法と遠沈法の比較
宮田 正彦
1
,
高尾 哲人
1
1阪大第1外科
pp.994-998
発行日 1974年9月15日
Published Date 1974/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542917359
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緒言
Yalow & Berson1)によるインスリンのラジオイムノアッセイの原理は,放射性物質による標識インスリンと非標識インスリンとのインスリン抗体に対する競合反応を利用したものである.すなわち,一定量のインスリン抗体と一定量の標識インスリンおよび試料とを反応せしめ,抗体に結合したインスリン(結合型,bound insu-lin)と抗体に結合していないインスリン(遊離型,freeinsulin)とを分離し,その中に含まれている放射線量を測定することにより試料中のインスリン濃度を定量するというものである.本法の良否は,使用する抗体の特異性および結合型と遊離型との分離操作の2点に左右される.現在まで,分離操作に種々の方法が試みられ2),おのおの方法に一長一短があり,他の方法をすべての面で凌駕する決定的方法のないことを物語っている.
今回,著者らはCIS製(ミドリ十字社供給)のキットを用いて,血中インスリン測定を二抗体法ラジオイムノアッセイにて行うに当たり,分離操作を濾過法(Fil-tration)および遠沈法(Centrifugation) により行い,両法を比較検討したので,その結果を報告する.
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