日常診療メモ・26
産婦人科治療における腸管手術(その4)
清水 直太郎
1
Naotaro Shimizu
1
1九州大学温研産婦人科
pp.286-293
発行日 1966年4月10日
Published Date 1966/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203460
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IX.直腸腟瘻
これは分娩時の損傷,なかでも第3度会陰裂傷が部分的に治療したもの,婦人科手術(子宮癌,子宮脱等の腹式,腟式手術)時の損傷,子宮癌の放射線治療,とくに腟内ラジウム,コバルト照射時の障害および癌の浸潤破壊,直腸腟隔膜膿瘍,潰瘍性直腸炎,腟内ペツサリー長期使用による圧迫壊死等でみる。
このうち癌性変化が直瘍腟隔膜に波及したものでは,照射により瘻孔を形成することは治療上やむをえないので,むしろ予めS状結腸瘻を造設しておいて,直腸腟瘻発生を顧慮せず十分な照射を行なうべきである。大きな瘻孔は子宮癌の広汎全剔除術,また放射線治療時の傷害により生ずることが多い。
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