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特集 ホルモン療法
妊娠持続を意図するホルモン剤の応用について
Hormone therapy for threatened abortion
藤井 久四郎
1
Kyushiro Fujii
1
1東京医科歯科大学
pp.421-427
発行日 1965年6月10日
Published Date 1965/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203277
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はじめに
流産がはじまろうとしていると考えられるとき,また以前にも何回か流産があつたから,今回もはじまるかも知れないときに,一般にはいわゆる黄体ホルモンが応用されている。しかし,その効果が明らかでない場合が多いのでいわゆる黄体ホルモンは無意味ではないかという疑問も起こつてきた。そのうえ,近頃の経口剤によつて時に女児の外陰異常がみられたという報告も加わつて増々これらのホルモン剤を忌避する傾向が一般にあらわれている。また,これらの症例についてホルモン定量をいろいろ行なつても多くは正常範囲にあるからこの種のホルモン剤の適応がある場合は殆んどないと考える報告も少なくない。
この度のシンポジウムでは臨床と研究の両方の立場から現在の時点でこの問題を如何ように理解出来るものかを考えてみた。多くの文献をならべることは止めて今日の状勢をのべてみたいと思うが,結局は筆者の現在の卑見にすぎないものになるかも知れない。
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