学会展望
アメリカ産婦人科研究動向(その2)—特に妊孕生理学の研究について
五十嵐 正雄
1
1群大医学部産婦人科
pp.104-106
発行日 1965年2月10日
Published Date 1965/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203211
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■Clomipheneによる人排卵誘発
日本でもすでに2,3の大学から研究発表があつたが,従来困難であった人排卵誘発にClomipheneが卓効を有することがGreenblatt (Medical College of Geor—gia)らにより示され注目されている。 Clomipheneの構造式は第1図のとおりで,estrogen作用を持つTACEに似ているが,動物実験ではantiestrogenic作用,antifertilityの作用が著明なのに,人体に対しては排卵誘発作用が強いという面白い薬剤である。
Greenblatt 教授が,昨年4月New Yorkでの不妊学会総会と,昨年9月CanadaのMontreal郊外で開かれたLaurentian Hormone Conferenceで発表した成績は,179例に投与し,139例(77.6%)に排卵誘発に成功し,956周期中576周期(60.2%)に排卵が起こっている。妊娠は28例に33回起こつた(前号第1表参照)。
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