学会展望
アメリカ産婦人科学研究動向(その1)—特に妊孕生理学の研究を中心に
五十嵐 正雄
1
1群大産婦人科
pp.27-30
発行日 1965年1月10日
Published Date 1965/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203192
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アメリカの広大さは日本人の想像を絶する。この広大なアメリカ大陸の各地に犬学や研究所が散在し,すばらしい設備,莫大な研究費,合理的な研究システムの下に,多数の研究者(この中には世界各国から集った多数の優秀な外国人または外国出身の研究者も含まれている)が,自分の生計に対する不安などはもちろんなく自由に,しかも研究至上主義をもって,はげしくお互の間の研究競争に自分こそ第1位のprorityをえたという意欲に燃えて研究に専念している。
これらの研究室から毎日夥しい数の研究成果が,論文として次から次へと発表されている。こういうアメリカ医学研究の現状を実際に見聞してきた私は,日本の医学研究室の現状をみ,体験して感じるのは幻滅の悲哀である。日本の医学研究は,少数の例外を除いて,アメリカのレベルには永久に到達できないように思う。アメリカの医学研究は今後も永く,世界のトップレベルにあって,世界の医学をリードし続けることと思う。
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