MY THERAPY in series・27
婦人科領域における漢薬の試用について
時永 達巳
1
1市立甲府病院
pp.873-874
発行日 1964年11月10日
Published Date 1964/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203165
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1.自律神経系の失調によると思われる各種の愁訴に悩まされる婦人は多く,多くの病因論と,それに基づく数え切れぬ位の治療法が発表されているが,原著ほどの効果のえられぬ症例の方が多く,心身相関の問題も加わつてくるので,実地医家は殆んどお手上げの形である。ただ重篤な器質的障害を除外して患者というよりはむしろ医師自身を納得させているのが実状と考える。しかし臨床前症状として三義的に扱われやすいこれらの症状こそ,患者にとつて医師を訪れさせた動機である場合が多い点に己の無力を思い知らされることがしばしばである。
私は,医史学的興味から接した「傷寒論」 「金匱要略」において集大成されたという東洋医学に,これらの症状が可成りの秩序をもつて整理されていることに関心を持ち,その薬方の中で,煎薬は一応除外して時折,試用して喜ばれているので参考までに記してみたい。
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