Japanese
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薬剤の臨床
デュラボリン試用例について
Clinical use of "Durabolin"
秋山 精治
1
,
加藤 繁
1
,
江部 道夫
1
Seiji Akiyama
1
1福島医科大学産科婦人科学教室
pp.691-695
発行日 1961年8月10日
Published Date 1961/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202478
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緒言
未熟児は生活力が弱く,その死亡率も高いので,その哺育法については種々新しい工夫がなされているが,就中,蛋白同化を促進し体重の増加をはかると云うことは,未熟児の哺育に於て最も重要な意義を持つものと思おれる。
蛋白同化ホルモンについては,1935年Kocha—kian及びMurlin1)が男子尿エキスに窒素蓄積作用のあることを発見して以来,Testosterone及びその誘導体が着目されたが,その臨床的応用に際しては男性化作用,Na及び水分貯溜作用等の副作用を伴うために,その使用が制約されていた。そこで臨床医家にとつて副作用のない強力な蛋白同化作用を有する薬剤の出現が望まれていた。1950年にEisenberg及びGordon等2)が肛門挙筋の重量増加が蛋白同化度の示標となることを発表するに及んで,同化ホルモンの研究は著しい発展を遂げた。
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