MY THERAPY in Series・48
柄付き吸引カップの試用
赤堀 和一郎
1
1神戸大学産婦人科教室
pp.910-911
発行日 1966年11月10日
Published Date 1966/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203591
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吸引分娩が普及し始めてからまだ10カ年にもならないと思うが,Vakuum Extraktorは今日産科医にとつて鉗子と共に最も必要な器具となつている。本法に対しては従来その使用法,母児に対する影響等,種々論議され,急速逐娩法として母児に対する障害は鉗子より著しく少なく,安全かつ操作も簡単であることが認められている。しかし実際使用する際になお1,2の問題点がないわけではない。
Malmström型装置を使用する際,索引中にカップとゴム管の接続部がゆるんで空気が入り,吸着力が弱まるため,急にカップが滑脱するような場合によく遭遇する。これは内部の鎖の引き方が不十分な時おこりやすいが,十分かけておつても,ゴム管に手をかけて引くような場合によくおこるように思う。特にいく分抵抗が強く,気を引きしめて索引する時などスーツと空気もれがしてしまうのは全く拍子ぬけのするもので,つい面倒になつて鉗子に切替えてしまう。
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