Japanese
English
臨床 不妊外来
不妊外来患者の臨床観察
Cinical observation sterile outpatients
木村 弘
1
,
漆原 俊一
2
Hiroshi Kimura
1
,
Shunichi Urushibara
2
1日本赤十字社中央病院産婦人科
2沖縄赤十字病院産婦人科
pp.619-624
発行日 1964年8月10日
Published Date 1964/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203103
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
わが国の医学は終戦を契機として麻酔学の進歩,抗生物質や各種ステロイドなどの発見,輸血学の発達などあらゆる面に長足の進歩をとげた。わが産婦人科領域もその例外ではなく,産褥熱を主とする重篤の感染症,子癇,子癇前症などの重症型妊娠中毒症,弛緩出血などによる母体死亡が明らかに減少したが,その反面相当の努力が払われているにかかわらず,その成績の比較的目だたないものもなしとしないが,不妊症は正にその一つと考えられる,挙児の喜こびに対する欲求は人の本能であるだけに,不妊は当事者にとつて深刻な悩みといつてよく,従つてその対策としては従来ホルモン学,基礎体温,男性因子,診断用器具など各方面から研究されており,昭和29年10月には不妊症研究会が発足し,さらに31年10月に日本不妊学会第1回総会が開催されるなど多大の関心が払われているにかかわらず,まだ必ずしも注目すべき成果の挙がられないのは,自然の妙機に左右されることの少なくない本症として,やむを得ぬことといつてよいであろう。
われわれは不妊を主訴として当院外来を訪れた患者につき臨床的観察を試みたので,以下その概要を報告する。
Copyright © 1964, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.