特集 新生児の研究と臨床--第1回新生児研究会シンポジウム
新生児黄疸
新生児黄疸の薬物治療
藤井 とし
1
Toshi Fujii
1
1東京都立築地産院
pp.150-153
発行日 1964年2月10日
Published Date 1964/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202988
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
新生児黄疸の治療を申上げる前に先ず新生児期黄疸をビリルビン代謝の面から分類すると,蓄積型(非閉塞性)黄疸と逆流型(閉塞性)黄疸に分けられる。蓄積型黄疸には,特発性新生児黄疸(所謂生理的黄疸で,同一機序で核黄疸を起す場合があることから特発性黄疸と呼ばれている),Crigler-Najar症候群,新生児溶血性疾患,先天性溶血性貪血,G−6—P Dehydrogenase deficiency等である。今日述べる新生児黄疸治療の対象は,蓄積型黄疸のなかで,特発性新生児黄疸と新生児溶血性疾患に対してであり,要するに血清ビリルビン値の上昇をおさえることと,核黄疸の治療の点について述べさせていただく。
まず高ビリルビン血症を起す因子をあげる。
Copyright © 1964, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.