Japanese
English
研究 血液性状
正常妊娠および産褥期の血液性状についての観察
Observation of blood findings during pregnancy and in the puerperium
飯田 和質
1,2
Kazutada Iida
1,2
1金沢大学医学部産科婦人科教室
2鳴和綜合病院産婦人科
pp.43-48
発行日 1964年1月10日
Published Date 1964/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202960
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I.緒言
女性が妊娠,分娩,授乳および育児という負担によつて,知らず知らずに母体の健康を害し,種々の余病併発の原因となつている場合も少なくないと考えられており,妊娠および産褥期の母体の各種物質代謝,栄養摂取量ならびに母体と胎児とのこれらの相互関係等が,研究されてきている。
とくに最近,妊娠および産褥期の貧血が,注目されており,ことに妊娠中は胎児,胎盤および子宮に移行する鉄の需要が増加し,母体の食事からの鉄吸収が,不充分な時は,母体の貯蔵鉄の消費をきたし,ついには,消耗して貧血が招来される。妊娠時の貧血は母体の健康を害するばかりでなく,胎児の発育にも悪影響を与え,乳児貧血ならびに経産婦における慢性貧血の遠因となつていると考えられる。
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