文献紹介
染色体異常母子,他
pp.391,399
発行日 1963年5月10日
Published Date 1963/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202809
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第1児6才少年の時精薄として入院,全身hypotonia,前頭骨突出,長頭症あり,2才で漸く歩き3才で物を云うようになつたが,そのころからhyperactiveでテンカン発作があらわれた。耳が低位にあり目小さく上眼皆厳あり,停留睾丸あり,S1-2に脊椎披裂,EEGに不規則波あり。染色体数47,第21〜22群にエキストラ1個あり。第2児1958年生れ少女,人工栄養でよく育ち9カ月で起立したが2.5才まで歩行できず,4才の今でもmama,papa以外は話せない。兄と同じ頭蓋形状,hy—potonia,耳低位,小さく凹んだ目,右手の異常指線,L5—S1の脊椎披裂,Crouzon病所見あり,斜視あり。染色体数47個,21〜22群にエキストラ1個あり,兄と同じく21〜22群トリソミーと考えられた。いいかえると,精薄あり,モンゴリズムと異る奇形をもつ,22〜23群トリソミーである。母1922年生れ,フエノタイプは正常女子で,染色体数46個,しかしそのカリオタイプは大変異常があり,13〜15群5個(正常6),17〜18群3個(正常4),これに反し6〜12群にエキストラ1個,21〜22群にエキストラ1個あり。父は1923年生れ,フェノタイプおよびカリオタイプ共に正常男子。
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