今月の主題 白血病—最新の概念と治療
病態
染色体異常
鎌田 七男
1
Nanao Kamada
1
1広島大学原医研・内科
pp.1848-1849
発行日 1981年11月10日
Published Date 1981/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217385
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これまでの血液学における白血病の定義は,「白血球生成組織が系統的にびまん性に,不可逆性に,無制限に増殖する疾患」とされていた,しかし,1970年代にはいってから血液学のめざましい進歩とともに,白血病の概念が多少変化しつつある.それは,これまでの白血病の定義に加うるに,幹細胞レベルでの腫瘍化であり,分化の異常を伴いクローン性に増殖してくるものであるという事実がいくつか明らかにされてきたためである.白血病における染色体研究は,このような考え方の大きな推進力となってきた.本稿ではこれらの事実をふまえながら,白血病の診断や病態を考えるうえで染色体異常をどのようにとらえたらよいか,仮説的なものも含めながら考察してみたい.
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