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グラフ
卵管結核における菊花蕾像の種々相
Various aspects of chrysanthemum buds in salpingo-graphic findings in tubal tuberculosis
山口 龍二
1
1東北大学医学部産婦人科教室
pp.5-6
発行日 1963年1月10日
Published Date 1963/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202726
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卵管結核の最も重要な特異像の一つである菊花蕾像は通常,膨大部と峡部の移行部附近に発生するほぼ円形の拡大像を指すが(第6図),よく観察すると本像には卵管結核の進展および病理学的な相の上から色々の種類および段階のあることが知られる。本像は病理学的には結核性空洞の事が多い。本像の成立,発展については著者がTo—hoku J.Fxp.Med.70:197,1959に発表しているが,大別すると,(1)膨大部の乾酪性内容の中心部の融解(第1図),(2)膨大部の狭窄による連珠状円形拡大(第2図),および(3)峡部の筋層内空洞によるもの(第1,3図)とになる。第2図の連珠状円形拡大は進めば第4図のようになるものと考えられる。第1図および第3図の軽度なものは卵管壁侵入像と呼ばれる。第5図に示すのは同一症例に多発した菊花蕾像で右膨大部のものは第1図右卵管像の進展したものと考えられ,右端には瘻孔様の像(矢印)が見られる。これが真の瘻であるか狭窄像であるかはこの写真だけではわからない。
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