Japanese
English
婦人科 手術合併症
外妊手術時,氣管内麻醉に合併せる偽膜性喉頭炎について
Pseudomembreneous laryngitis following intubetion anaesthesia in case of ectopic pregnancy
若月 美博
1
,
島田 勉
1
,
大塚 太一郎
1
,
町沢 清一郎
1
Yoshihiro Wakatsuki
1
1千葉大学医学部産婦人科学教室
pp.281-285
発行日 1962年4月10日
Published Date 1962/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202606
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緒論
1910年Elsbergが初めて全身麻酔に気管内挿管法を行つて以来,この方法が普及したが,その間之に伴う種々の合併症も報告されて来た。1936年Koyeは,518例の気管内麻酔後のアンケートにより,無痛無声1,喉頭気管炎6,喉頭潰瘍4例を報告している。Lennon & Rovenstein (1939)はカフ破裂による死亡例,Farrior (1942)は声帯の圧迫潰瘍,Show (1946)は粗暴な気管内挿管による喉頭急性浮腫で気管切開を要した例を報告した。またAgens P.Mullerは1,500例中4例の偽膜性喉頭炎を報じたが一方我国に於ても,気管内麻酔の進歩と共にその合併症の報告が増加して来た。角南は偽膜性喉頭炎5例,気管粘膜圧迫壊死1例,古賀は偽膜性喉頭炎1例,気管粘膜圧迫壊死1例,坂本は気管支瘻1例,窪は晩発性肉芽腫等々を報告している。が気管切開に至つた例は極めて稀であつた。
当教室に於ても,現在迄に気管内麻酔1,000例を算し,挿管による合併症も時折認められたが,今回外妊手術後に偽膜性喉頭炎で気管切開に至つた例に遭過したのでここに報告し,御高見を仰ぐ次第である。
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