同人放談
学会座長論
明石 勝英
1
1札幌医大
pp.885-887
発行日 1961年10月10日
Published Date 1961/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202515
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近来医学関係の学会は大変な数であり,学会の盛大を示すものとしてうれしい。学会にも中央的性格をもつ総会とそれを母体とする,半中央,半地方的なブロック性格の北日本,中部,九州連合会から更に道,県を単位とする学会が各科にある。こうした部会,連合会の上に総会があるといつた点で日本の学会も非常にその底の深さを増して,重厚性を帯びて来たといえる。この外に学会という固苦しい,通り一辺のものでなく,会員が自由討論をする談話会或は懇談会形式のものも非常に多いこともいいことだと思う。
医事関係新聞等を見て学会の演題の羅列されたのを見ると一寸ウンザリした事もあつたが,よく考えるとこうした考え方はいけないことで,夫々の学会の演題とはそれぞれの学会の性格に適したものが出されている。又演題を見ただけでも,他科の学会の動向を知ることが出来る便利さもある。そして自分に関係した問題等も分るし,その点非常にいいことである。記事で読むよりは学会或は懇談会に出て演者から直接その非常な苦心のもとに,且重点的に纒められたものを聴くとよくわかる場合が多い,各種の問題解決の鍵がわたされた様な気持にもなる。又抄録を見ただけでは興味のあまりわかなかったものも,それを演者から直接に聞くと新なる興味もわく。
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