Japanese
English
座談会
胞状奇胎と絨毛上皮腫
Hidatid mole and chorionepithelioma
長谷川 敏雄
1
,
安井 修平
2
,
安藤 畫一
3
,
藤井 久四郎
4
,
三宅 秀郎
5
,
細川 勉
6
,
新谷 昇治
7
1日本赤十字社中央病院
2東京逓信病院産婦人科
3慶応大学
4東京医科歯科大学産婦人科
5都立大久保病院産婦人科
6東京慈恵会医科大学
7日本赤十字社中央病院産婦人科
pp.796-809
発行日 1961年9月10日
Published Date 1961/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202498
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
絨毛上皮腫の重要性
司会(長谷川) それじや御指名によりまして,私が皮切りをやらせて頂きます。本日は特にゲストの皆様お忙しいところをどうも有難うございました。本日の座談会は絨毛上皮腫についてということでありますが,これは申すまでもなく主として婦人にくる悪性腫瘍の一つでありますが,いわゆる悪性腫瘍の中には,殊に婦人では子宮癌,乳癌等もありますが,その中で絨毛上皮腫が一番悪性だと思います。と申しますのは,殊に遠隔転移が致命的な内臓転移の形で,癌よりも遥かに高い頻度でくるからであります。にも拘らず例えば子宮癌につきましては,或いは映画に,或いは婦人雑誌に,或いは紙芝居といつたようにPRが盛んに行なわれておりますが,絨毛上皮腫はどうかと申しますと,素人の間には名前さえ知らない人もあるという位に,一般に知られていないのであります。これは一つにはその頻度が子宮癌に比べて,比較にならん程低いということも無論あると思いますが,しかし少ないと言つても一般大学病院その他の大病院ではそう珍しいというほどのものではなく,1年に何例かは大抵の人は診ておるのであります。従いましてわれわれとしては,もう少し一般の認識を強め,いかに恐ろしいものであるかということを徹底させる義務がある,と思うのであります。
Copyright © 1961, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.