Japanese
English
臨床研究
分娩機転に関する研究—1.子宮電図による分娩機転の研究
Studies on the mechanism of labor:PartⅠ. Studies on the mechanism of labor using uterogram
一条 元彦
1
,
氏家 康秀
1
,
遠藤 義彦
1
,
大友 泰郎
1
Motohiko Ichijyo
1
1東北大学医学部産婦人科学教室
pp.595-599
発行日 1961年7月10日
Published Date 1961/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202458
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Ⅰ.緒言
妊娠・分娩に関して子宮筋の性状や機能の変化が重要な意義を有することは改めて言う迄もない。一般に平滑筋生理学は神経・骨格筋生理学の進歩に比べて著しく立ち遅れていたが,最近漸く平滑筋研究会等も発足して次第に研究に拍車がかけられる様になつた。それと共に平滑筋独特の種々の現象が発見され,その知見は産婦人科領域に於いても有用なものが少くない。われわれは分娩機転に就いて新しい方向から考察及び検討を試みているが,今回は子宮筋電図の面から妊娠各期の子宮筋機能をとらえて見た。一般に平滑筋活動電位の記録は技術的に非常に困難であり,従来の研究者は多くの誤謬を犯しているのであつて,的確に活動電位を得ている者は内外数氏に過ぎないようである。然も動物子宮電図は一応可能であつても,人子宮電図の分析に当つては尚成功していないのが現状である。われわれは本邦産婦人科領域に於いては先駈けて本問題の解決に努力して居り,既に性ホルモンと子宮電図の関係1),子宮収縮剤と子宮電図の関係2)等2,3の成果を発表して来たが,妊娠に関しても種々の所見を得て居り,之等は文献的にも報告がないので鼓に発表する次第である。先にも述べた様に人子宮に於いての活動電位の解明は甚だ困難であるので,本紙では総べてラッテ子宮の活動電位を記載するに留め,人子宮に就いては後日の発表を期している。
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