Japanese
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薬剤の臨床
新殺菌剤Polyvinyl pyrrolidone-iodineによる皮膚消毒について
Desinfection of skin by means of a new bactericidal agent, "Polyvinyl pyrrolidone-iodine"
松田 静治
1
Seiji Matsuda
1
1順天堂大学医学部産婦人科学教室
pp.601-604
発行日 1961年7月10日
Published Date 1961/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202459
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Ⅰ.緒言
日常腹壁等手術野の消毒にはヨードチンキによるGrossich氏法(1908)が一般に応用されており,簡易で速かに目的を達し得る点がその長所とされて来た。ヨードチンキの主成分であるヨードは昔からbroad spectrumの殺菌剤として認められ,細菌に対する殺菌作用,抗真菌作用並びに抗ウイルス作用を有することが現在迄に報告されている。然し一方ではヨードは不安定なもので,水に不溶であり,さらに強力な皮膚刺激作用と皮膚感作作用があるため,そのままでは皮膚や粘膜の消毒に応用できない欠点があり,アルコールと混ぜたヨードチンキとして使用していたのであるが,これとても依然として皮膚刺激作用を有するため,時に色々の局所の障害を起す危険性を伴つていた。これらの点から欧米殊に米国ではヨードの殺菌力を減弱させることなく,副作用のない容易に使用し得る消毒剤の研究が盛んに行われていたが,最近Polyvinyl pyrrolidone (PVP)とヨードを結合させたPVP-iodineが作られ,製品化されるに至つた。今回私は「明治製菓」より,本剤を入手し,細菌学的検査を中心に手術野及び外陰,腟における殺菌効果を検討する機会を得たので報告する。
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