Japanese
English
臨床と薬剤 薬剤・2
分娩機転に関する研究(2)—relaxinと子宮頸のSphincter様機能
Studies on mechanism of delivery
一条 元彦
1
,
氏家 康秀
1
,
遠藤 義彦
1
,
東岩井 久
1
,
村井 憲男
1
Motohiko Ichijo
1
1東北大学医学部産婦人科学教室
pp.165-169
発行日 1963年2月10日
Published Date 1963/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202756
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
今時妊娠分娩に関する研究は多彩にわたつているが,なかんずくrelaxin (これから述べるrela—xinはすべていわゆる第3ホルモンとしてのre—laxinで,杏林製薬株式会社製の筋弛緩剤Rela—xinとは別なものである)についての研究は興味深いものがある。relaxinは1926年Hisaw1)らにより発見されて以来,恥骨結合離開作用,骨盤靱帯弛緩作用などが知られるに至り,産科学的に重要なhormoneとして考えられるようになつた。われわれもまたrelaxinが子宮頚のsphincter様機能に調節的因子として作用することを知つたが,これは内外の文献に見ない新知見であり,かつ最近分娩時間短縮剤としてしばしば使用されるようになつたCervilaxin,Releasin,Lutrexin(いずれもrelaxin製剤である。現在本邦では米国ナショナルドラッグ社製,持田製薬株式会社販売のCervilaxinのみが発売されている)の作用機序の本態を解明するものとして注目されている。本文はそれらについての筆者らの実験成績を述べて見たい。
Copyright © 1963, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.