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グラフ
カンジダの簡易迅速検査法(速報)
A simple, rapid examination of candida
佐々木 寿男
1
,
金 英根
1
1社会保険埼玉中央病院
pp.1057-1058
発行日 1960年12月10日
Published Date 1960/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202324
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外陰・腟カンジダ症の診断決定には,検体の分離培養を行うことが最も確実であるが,培養と云うことになると,多忙な一般臨床家にとつては必ずしも気楽に実施し得ない憾みがある。しかるにM.M.Cohenが皮膚糸状菌症の診断時に実施した,万年筆用インクを利用する直接検鏡法は,甚だ簡易でわが領域でも応用可能である。
方法は先ずParker 51 superchromc blueblack inkの10ccに20%KOH液20ccを混和した液を調製しておく。本液は調製後直ちに使用出来,しかも保存が可能である。次に生理的食塩水を盛つた載物グラスに腟分泌の少量を採り,これに上記液1〜2滴を滴下混和して5分間以上放置後,カバーグラス(大型,32×24mm)を置いて検鏡する。するとカンジダ陽性の場合は,青白色の視野に擬菌糸体及び分芽胞子の形が無染色のまま透明状になつて認められる。(写真図)之に対し陰性の場合は視野全面がインク色を呈するのみで,これらの特有の形態が認められない。更に自然乾燥後の標本を見ると,色調は逆になり,透明な視野の中にカンジダがインク色に濃染して認められる。本法では他の細胞成分や腟トリコモナス併存時のトリコモナスまでも溶解消失がしてしまうので,検鏡時の所見が甚だ単純化される特徴である。
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