文献抄録
An electron microscopic study of the intestinal villus—Ⅱ. The pathway of fat absorption,他
中野 盛夫
pp.712
発行日 1960年8月10日
Published Date 1960/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202251
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21-40時間絶食した成熟ネズミに1.5mlのトウモロコシ油をpoly—ethylene管で胃内に与え,20-210分後に1%osmium酸固定を行い,小腸絨毛を電顕的に観察した。22分後には最大65mμの径を示す脂肪球がmicrovilliの間隙を伝わつてその基底部からpinocytosisによつて細胞質内に入るのが見られた。細胞質内では粗面小胞体を通過する間に油球が接合して直径40-150mμとなり,pinocytosisと逆の過程で隣接上皮細胞と接する面に放出され,この細胞間隙を下降して上皮基底膜を通り固有板(Lamina propria)の細胞外間隙に移行し,乳び管の基底膜を通つて乳び管内皮細胞重積の間からリンパの中に入りこむ。即ち小胞体が細胞外と通じていると考えるならば脂肪の吸収はすべて細胞外の経路を通じて行われると考えられる。
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