Japanese
English
薬剤の臨床
合成Oxytocinon—"Syntocinon"の使用経験
Clinical use of synthetic oxytocinon "Syntocinon"
斎藤 清
1
,
水野 慶一郎
1
Kiyosi Saito
1
1順天堂大学医学部産婦人科教室
pp.579-584
発行日 1960年6月10日
Published Date 1960/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202225
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
Ⅰ.緒言
下垂体後葉ホルモンより1928年にKamm,Aldrich,Grabe,Rowe,Bugbeeら1)が2種の「フラクション」,すなわち子宮収縮作用の強いものと,血管収縮および利尿抑制作用の強いものを分離し,前者をOxytocin後者をVasopressinと命名した。このうち産科的には子宮収縮成分だけが有用であり,分娩誘導ならびに促進,さらに分娩後出血に応用される。従つて他の成分は除去されることが望ましい。その後1953年にTuppy2)およびdu Vigneaud3)がOxytocinとVaso—pressinの化学構造を決定し,さらにdu Vig—neaudはこのOxytocinを実験的に合成することに成功し,Oxytocinと命名した。
今回「三共」よりSyntocinonの提供を受け,臨床的に分娩誘導,陣痛促進,分娩第3期におよぼす影響等につき検討したので,その成績を報告する。
Copyright © 1960, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.