Japanese
English
薬剤の臨床
Tricofuron腟坐薬の使用経験
Experience with a vaginal suppository "Tricofuron"
斎藤 清
1
Kiyoshi Saito
1
1順天堂大学医学部産婦人科教室
pp.441-445
発行日 1961年5月10日
Published Date 1961/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202429
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Ⅰ.緒言
近年腟トリコモナスの研究の再興,化学療法の進歩に伴い,種々の薬剤が製作され,それぞれ臨床価値が認められているが,再発を繰り返すような頑症例に対する治療の決めとなる薬剤が殆んどないといつた現状である。如何なる薬剤を使用しても4割ないし5割の再発は免れないようである1)。一方抗生物質応用の普及に伴うカンジダ症の発生が問題になつてから,抗カンジダ剤,殊に抗カンジダ性抗生物質の研究が盛んに行われ,新しい抗生物質が次々と発見されている。
今回われわれは山之内製薬より,腟トリコモナス症および外陰,腟カンジダ症治療剤として作られたNitrofuran系製剤たるTricofuron腟坐薬の提供をうけ,主として腟トリコモナス症に,又ごく少数例ではあるが,外陰,腟カンジダ症に使用したので報告する。
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