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薬剤の臨床
後期妊娠中毒症に対するHydroflumethiazide (Rontyl)の使用経験
Experience with Hydroflumethiazide (Rontyl) for toxemias of late pregnancy
吉川 栄
1
,
上野 雅清
1
,
水野 慶一郎
1
Sakae Kikkawa
1
1順天堂大学医学部産婦人科学教室
pp.1101-1106
発行日 1960年12月10日
Published Date 1960/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202335
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はしがき
後期妊娠中毒症の治療には,従来安静,食餌療法の下に種々の降圧並びに利尿剤が使用され,その治療成績も漸次向上を示しているが,利尿,降圧の両者に有効な薬剤は未だ少数である。
しかるに1957年Novello & Sprague等により合成されたChlorothiazideは,利尿並びに降圧作用が著るしく且つ副作用の少ない薬剤として注目されたが,次いでその誘導体であるHydrofl—umethiazideが登場し,更に強力で副作用が少ないとされている。本剤は第1図に示すようにChlorothiazideとはCl基がCF3に置換されていることと,サイアダイジン環に2個の水素が入り二重結合がなくなつている点で異なつている。
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