Japanese
English
臨床研究
子宮内避妊リングの臨床的観察
Clinical observation of intrauterine contraception ring
三井 武
1
,
森本 正昭
1
,
井下田 純
2
Takesi Mitui
1
1日本医科大学第一病院産婦人科
2市立上尾病院産婦人科
pp.461-465
発行日 1960年5月10日
Published Date 1960/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202198
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I.緒言
戦後の急激な人口の増加及び之に伴なう無批判な人工中絶術の施行等の結果,所謂逆淘汰の現象と思わざるを得ない状態が現われつつあり,諸般の社会状勢はわれわれ産婦人科専門医が受胎調節或いは家族計画の普及等の諸問題を真剣に考慮しなければならない現況にある。
今日避妊法の必要なことは万人の認めるところであるが,その実施に当つて忽ち諸種の困難に立ち向わねばならない。即ち避妊効果の不確実なこと,副作用の多いこと,費用が低廉でないこと,われわれの生活様式と相俟つて家庭内で手軽に実行出来ないこと等の諸問題である。一時的避妊法としては従来より性交中絶法,コンドーム法,避妊薬或いは洗滌等による化学的方法,タンポン,スポンジ,横隔ペッサリー等による器械的方法及び避妊リング,避妊ピン等を用いる方法等,多種多様の方法が行われているが,孰れも一長一短があり,その優劣を云々することは困難であるが今回われわれは実験的に子宮リングを使用して,その実態を調査したのでここに報告して批判を仰ぐ次第である。
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