Japanese
English
臨床研究
婦人肩こり症に対する一治療法
A treatment of female shoulder tension
森 新太郎
1
Sintaro Mori
1
1住友病院
pp.467-469
発行日 1960年5月10日
Published Date 1960/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202200
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I.緒言
われわれ産婦人科外来を訪れる患者で肩こり,腰背痛及び之等と関連せる頭痛を訴えるものは随分多い。特に更年期前後になると殆んどと云つてよい位である。更年期障碍患者について之等の症状の発現頻度を調べてみると運動器管障碍症状に属する肩こり58%,腰背痛53%,精神神経障碍様症状に属する頭痛41%であり,肩こり,腰背痛は更年期障碍の症状中でも優なるものであると云える。更に婦人自律神経失調症に属する患者でも之等の症状は更年期障碍患者と略々同率に認められると云つてよい。従つて之等の症状はわれわれ産婦人科外来診療に当つては最もしばしば遭遇するものであると云つてよかろう。然し之等の症状は我々にとつて何だか余りにも漠然とした感があり,単に更年期障碍又は自律神経失調症に対する治療法を行つていれば自然に治つて行くべきものと観念付けられて了つて熱心に之等に対する処置を考えようとせぬ嫌いがある様でもある。早い話が肩こりは「血の道」のせいだからその治療をしていれば治つて了うと簡単に片附けて了い勝である。所が患者から云わしめれば更年期障碍や「血の道」症の御説法は存分判るけれども何はともあれ肩こりを楽にして欲しいと訴える場合がある。
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