Japanese
English
臨床研究
避妊リング挿置子宮内膜の組織学的観察
Histological observations of mucosa of the uterine cavity in which a"Contraception ring"has been kept inserted
沢崎 千秋
1
,
今木 重雄
1
,
岡部 啓介
1
,
青地 冨美子
1
Chiaki Sawasaki
1
1京都府立医科大学産婦人科学教室
pp.25-30
発行日 1958年1月10日
Published Date 1958/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201693
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Ⅰ. まえがき
受胎調節が強く要望されている今日,なお完全な避妊方法がなく,一部では子宮腔内挿入避妊リングが用いられている。これについては,既に昭和12年に沢崎1)がそれを綜説し,その障碍例を報告し,内務省令により販売若しくは授与し,又は販売の目的を以て陳列若しくは貯蔵することを禁止されていることを説いたが,その後本令が失効し,一方避妊の要望が強くなつたので,本器が再び医師により試用されるようになり,賛否交々であるが,厚生省からは未だ許可はざれていない。もともと本器は,その後時代の移り変りと共に,金属製がナイロン製となり,障碍を出来るだけ少なくしようとする努力は認められる。しかしながらこれによつて本器具の作用機序が本質的にかわるものでもないから,沢崎のこれに対する批判は,前報告当時とかわるものではないが,最近吾が教室に,他医によって本リング挿置をうけて,障碍のため若しくは除去を希望して来院するものが多いので,その9例について,挿置内膜の組織学的所見を精査し得たので,これをまとめて報告し,結論として本器具への批判を再び述べることにした。
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