Japanese
English
日常診療メモ・I
分娩時の異常出血に関するメモ
On the atlypical bleeding in the course of labour
清水 直太郎
1
Naotaro Shimizu
1
1佐世保共済病院産婦人科
pp.749-751
発行日 1958年9月10日
Published Date 1958/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201824
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分娩時の異常出血は日常の診療に際して屡々悩まされるものの一つであり,私の診療メモ帳にもそれに関する記録が可成りある。分娩時の生理的と思われる出血量は多くの場合200〜300mlであり,文献では平均234ml,標準偏差の上限界を約600m1とされている(小畑)。この正常とされる上限界に近い出血量では既にショック状に急に母体の危険が起ることがあるから,全身状態のよくない場合,又極めて神経質な産婦の場合等には出血量が割合少なくても充分に注意してかからねばならぬという当然なことを改めて痛感したことがある。
児が娩出する前の,又は分娩中の出血は前置胎盤,常位胎盤早期剥離,子宮破裂,静脈瘤の破裂等でみられるが,日常遭遇する分娩時出血の多くは児が娩出した後のものである。
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