Japanese
English
婦人腰痛・1
婦人腰痛における腰椎および骨盤のレ線的変化
Changes in radiograms of lumbar vertebrae and pelvis in cases of female lumbago
兼子 和彦
1
,
河井 儀三
1
Kazuhiko Kaneko
1
1葛飾赤十字産院
pp.243-248
発行日 1963年3月10日
Published Date 1963/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202774
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緒論
腰痛の訴えは産婦人科受診者の中にかなり多くみられるものである。外来患者に関する腰痛発現の頻度は安井の4.5%,九嶋らの8.4%,鈴村らの3.3%および2.3%,大沢の3.6%などの記載がある。
婦人腰痛には骨盤内の炎症,癒着および腫瘍,子宮の位置異常,子宮内膜症,自律神経性のもの,妊娠,分娩に由来するものなどその原因を産婦人科的変化におくものもかなり多い。しかし,腰痛自体が腰仙部に生ずる疼痛の総称であるため,その原因も多岐にわたり,産婦人科外来を訪れる腰痛には境界領域に属するものから整形外科,内科,泌尿器科など他科におよぶ広範なものが含まれている。従つて日常診療に際し腰痛と産婦人科疾患との間に明確な関連性を見出せないこともしばしば経験する。実際に腰痛は産婦人科的障害に基くものより背腰部の変化による場合の方が遥かに多いようである。
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