Japanese
English
臨床研究
内分泌疾患 Ⅸ.—末端肥大症について
Endocrine diseases Ⅸ. :On the acromegaly
唐沢 陽介
1
,
木下 国昭
1
,
星合 久司
1
,
橋本 武次
1
Yosuke Karasawa
1
1東京大学医学部産科婦人科学教室
pp.929-933
発行日 1958年12月10日
Published Date 1958/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201857
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I.緒言
1886年,Pierre,Marieによつて,四肢及び頭蓋の後天的先端肥大を伴う2例が報告されて以来,末端肥大症が下垂体前葉好酸性細胞の思春期後における機能亢進に基く疾患であることは,今日何人も疑わざるところであろう。そして本症がいわゆるSimmonds氏病や尿崩症等と共に,下垂体機能失調の代表的なものとして取扱われていることも周知の通りである。のみならず,Sim-monds氏病や尿崩症において,新しい内分泌学の知見より下垂体そのものに疾患の原因を求めようとした古い考え方が改められつつあるのに対して,本症のみは今尚前葉自身の疾患として厳存している現状である。かかる点に本症特有の興味があると考えるのは,独り著者等のみではないであろう。
特に女性に本症が発生すると,過半数に月経の閉止を見ることは良く知られている事実であるが,われわれの知る範囲においては,産婦人科領域の研究者で,末端肥大症の詳細な観察を行つた者は数少いように見受けられる。しかし,本症が一つの特異な型の月経異常を示す点において,観過し得ない疾患であることは論を倹たないところであろう。
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