Japanese
English
特集 梅毒
駆梅療法
Antiluetic treatment
篠田 倫三
1
Rinzo Shinoda
1
1船員保険東京中央病院
pp.97-100
発行日 1958年2月10日
Published Date 1958/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201705
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Ⅰ.はしがき
周知の如く,梅毒に対するペニシリンの卓絶した効果とその驚くべき普及とによつて,わが国における梅毒数は平年の半ば以下に減少し,とくに早期の顕性梅毒なとは何処の大病院にいつても殆んと見られない程になつている。その反面,血清反応のみが頑強に陽性に止る所謂抗療性梅毒の占める比率が著しく高くなつてきているのである。これらの症例に対して強力な駆梅療法を行つているにも拘らず,反応が少しも動いてこないので,患者は甚だしい不安に陥り,これを治療するわれわれをも困惑させるのである。このような血清抵抗性梅毒を如何に取扱うかが切実な問題となつている。またこのような患者の結婚許可は如何にすべきかも問題となる。
駆梅法の標準について,初め昭和28年に厚生省から発表されていたが,今回その「性病の治療指針」が改正せられその内の梅毒の項も若干変更された。一方米国においては"mangement of V.D."(合衆国公衆衛生局性病課)を出しているが,これに見られる著しい傾向はペニシリン単独療法で,かつ大量注射方式を採用していることである。
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