Japanese
English
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Erythromycin(エリスロシン)による駆梅療法について
ERYTHROMYCIN IN THE TREATMENT OF SYPHILIS
白取 昭
1
Akira SHIRATORI
1
1北海道大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, School of Medicine, Hokkaido University
pp.965-969
発行日 1961年11月1日
Published Date 1961/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203173
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I.まえがき
Erythromycin(EM)の駆梅効果については実験的及び臨床的報告が散見される。すなわち,Turner1)らは家兎を用いてスピロヘータ接種後の皮膚硬結中のスピロヘータの動静を検してEMはペニシリンに次いで強力であることを認め,占部2)は家兎睾丸にスピロヘータを接種して睾丸の腫脹を来たした後にEMを投与してその治癒過程を観察し,300mg/kg以上を投与すれば全治するとしている。
Cordice3)はスピロヘータの検出される下疳を有する患者4例に対し,3例に1日量2,000mg(4回分服)のEMを投与すると48〜72時間以内にスピロヘータは消失し,潰瘍は3〜10日まで存続するのをみ,1,200mg投与した1例では6日後もスピロヘータを認めたと云う。Alexander4)らは下痔内のスピロヘータ及び血清反応陽性の患者に800mg(4回分服)8日間投与すると発疹内のスピロヘータは24〜30時間後には消失し,血清反応(Kline法)は投与前の1/2に減弱したと述べている。楠本5)は治療困難な11例の患者にEMを用いて11例中1例を除きすべて血清反応を陰転せしめたとし,その際の投与形式は1日600〜900mgの連続大量療法が最も良いとしている。山本ら6)も同様の成績を挙げている。
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