Japanese
English
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エリスロシンによる駆梅療法
ANTILUETIC TREATMENT WITH ERYTHROCIN TABLETS
香川 嘉久
1
Yoshihisa KAGAWA
1
1尾道市立市民病院皮膚泌尿器科
1Dermato-Urological Clinic, Onomichi Citizen's Hospital
pp.795-800
発行日 1961年9月1日
Published Date 1961/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203133
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I.まえがき
Ehrlich,秦(1910)によつてサルバルサンが造られてから,砒素剤を主薬として蒼鉛剤,水銀剤,沃度剤の併用が行われてきたが,近年の急速な抗生物質の相次ぐ発見,発展により,それらのうちのあるものは,駆梅療法として大いに使用されるに至つた。殊にペニシリン(以下PCと異す)はMahopey (1943)が治効を得てより最も盛んに使用されているものである。しかし,抗菌スペクトルが,PC類似で,且,これよりも広範囲であるエリスロマイシンも亦,広く使用せられ,本邦にても数々の臨床報告がなされている。
今回,大日本製薬からエリスロシン(以下EMと略す)の試供を得て,数名の梅毒血清反応陽性者に対し,長期間の大量療法を試み,予期した以上の好結果を得た。同剤は胃液によつても分解をうけぬ程,比較的安定で,消化管からは急速に吸収されるエリスロマイシンのステアリン酸塩100mg力価を含有する「フイルム皮膜錠」である。
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