Japanese
English
原著
産婦人科領域に於ける流血酸素量の連続測定に関する研究—第1編 流血酸素量の連続測定に関する基礎的研究
Studies on the successive determinations of circulatory blood oxygen in obstetrics and gynecology
中尾 昭
1
Akira Nakao
1
1名古屋大学医学部附属病院分院産婦人科
pp.766-772
発行日 1957年11月10日
Published Date 1957/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201636
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第1章 緒言
産婦人科領域に於ける流血酸素量の連続測定に関する研究は,病態生理を始め分娩生理等,極めて重大な幾多の問題の解明に欠くことの出来ない研究であるに不拘,此の種の研究は内外共殆んど行われていない現況である。
飜つて当然行われるべき此の種研究の行われなかつた原因にっいて考察するに,従来行われていた流血酸素量の測定方法は,Van Slyke検圧法にせよ,或は光電比色計法にせよ,此等の方法は,何れも観血法である上に,極めて操作が複雑であるため,その測定には長時間と熟練とを要し,連続測定には適しない方法であることに起因している。然るに,1930年の初期より,流血酸素量を連続且つ迅速に測定しようとする基礎的研究が,Nicolai, Kramer, Matthes等によつて盛んに行われた結果,酸化「ヘモグロビン」(「ヘモグロビン」を以下Hbと略す)が還元Hbより可視赤色線を吸収することの少い原理を応用したEarOximeterが作成され,その後更に改良が加えられ,遂に最近に至り,略々理想的なEar Oxime-terがWood及びGeraciによつて完成され,臨床面の流血酸素量の連続測定に貢献するに至った。依つて私も之に倣い,つとにWood及びGe-raci型のEar Oximeterの試作に着手し,之に成功したので,之が産婦人科領域への応用を企図し,次の基礎実験を行つた。
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