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治療室
卵膜外リバノール液注入による妊娠中期中絶法の経験
Experience in the interruption of pregnancy in the middle stage of gestation by the Rivanol infusion through Nelaton's catheter inserted upward between fetal membranes and uterine wall
小林 一郎
1
Ichiro Kobayashi
1
1富士吉田市立病院産婦人科
pp.352-356
発行日 1957年5月10日
Published Date 1957/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201556
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緒言
妊娠中期の中絶法には,ブージー法,ラミナリア法,メトロイリーゼ,コルポイリーゼ,高位メトロイリーゼ,ブージメトラノイクテル併用法,羊水パンピング法,卵膜穿刺法,臍帯結紮法,薬物投与法,羊膜腔内薬液注入法,卵膜外薬液注入法,子宮下部切開法等,多種多様の方法が有るがかく種々の方法が用いられている事は,何れも一長一短が有る事を物語つている。卵膜外薬液注入法は最近我国でも多く行われる様になつた。本法は1846年CohenのPechwasser, Frank-Pelzerのグリセリン注入法に始まる。その後チモール水,硼酸水,食塩水,過マンガン酸カリ液,沃丁法等が次々追試された。沃丁法の中毒例及び死亡例,又1931年HeiserのInterruption注入による腹膜炎,室気及び脂肪エンボリーによる死亡例等報告されている。我国でも注入薬液も,リバノール液(柏原,藤林),生理的食塩水(清水,宇津野),蒸溜水(中野),稀沃丁液(橋爪),リバノール寒天(川島),アネラチンゼリー(柚木),グリセリン(奥,岡島),5%アクチゾール液,リンゲル氏液,ホモズルファミソ液,弗化ソーダ液等,多数が報告されている。0.1%リバノール液は,静脈注射でも副作用なく,且つリバノール液自体に殺菌力の有り,安価なので,私も本法を用いて妊娠中期の中絶法を行つた。茲に成績を述べる。
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