Japanese
English
藥物療法
オキシトシン製剤オラスチンによる分娩誘発
Induction of labor by oxytocin preparation "Orastin"
大塚 勝章
1,2
OHTSUKA KATSUAKI
1,2
1慶応義塾大学医学部産婦人科教室
2中南国保病院産婦人科
pp.276-278
発行日 1957年4月10日
Published Date 1957/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201539
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1.緒言
従来分娩誘発法としては機械的,薬物的或いはホルモン的に種々な方法が考案使用されて来たがその操作や効果及び副作用等の点で,夫々一長一短があることは衆知の所である。
脳下垂体後葉製剤の分娩第2期及び第3期への応用は近来常識化されているが特に子宮口全開大前に下垂体後葉製剤とブドー糖液との混合液の静脈内点滴注射による陣痛誘発及び促進法は1948年Theobaldによつて始めて発表された。下垂体ホルモンに就いては1909年Blair-Bell及びHicksが子宮収縮作用のあることを証明し,その後1928年Kamm, Aldrich等は,下垂体後葉ホルモンより2種の成分を分離した。即ち子宮収縮作用の強いOxytocinと血圧上昇作用,抗利尿作用の強いVasopressinの2つである。このOxytocin製剤は,吾国ではAtonin−0として臨床的に盛んに使用され,妊娠及び分娩時,殊に高血圧を有する妊娠中毒症の患者にも安全に使用しうると報告されている。Atonin−0による陣痛誘発及び促進は須田,千葉,安井,佐川,星野等により検討され,有効にして副作用の少い方法として認められている。著者はAtonin−0と同様のオキシトシン製剤オラスチン(ヘキストー新薬)を中南国保病院産科に入院せる妊婦20例に「陣痛誘発の目的」に使用しAtonin−0より有効なる成績を得たので報告する。
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