Japanese
English
診療室
婦人科開腹手術患者にジギトキシンを使用して
Application of digitoxin for patients submitted to gynecological laparotomy
小坂 清石
1
,
宮尾 益昭
1
Kiyoshi Kosaka
1
1新潟大学医学部産婦人科
pp.723-724
発行日 1956年10月10日
Published Date 1956/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201438
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緒言
以前心臓疾患治療には主としてジギタリス葉浸剤が使用されて来たし,今日も吾々が最も親しんで居る薬剤である。而しジギタリス葉浸は,力価が不安定であり,且つ,食慾不振,嘔吐,嘔気,期外収縮(殊に2段脈)等の症状が現われるので近年ジギタリスの有効成分を化学的に単離せんが為に種々の努力がなされてジギトキシン,ジゴキシン,ラナサイドC,ジギコリン等が出現して来た。特にジギトキシンは約80年前に結晶性に抽出されたが一部の国に於いて使用されただけで,その使用の強烈なる為に使用されなかつた。
最近になりアメリカ合衆国のGold等によりジギトキシンの使用が推奨され我が国に於いても使用される様になつて来た。ジギトキシン使用の研究発表は内科方面に於いては今迄に多くの発表がなされて来たが,産婦人科方面に於けるジギトキシンの使用例に対する発表は少い様である。我々も以前当教室に於ける開腹患者術前の強心剤投与に際し,ジギ末を使用して来たが最近少数ではあるがジギトキシンを使用する機会を得たので述べて見る。
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