原著
新生児(成熟児及び未熟児)のショックと哺育に於ける藥物冬眠療法の試み
長野 壽久
1
1国立静岡病院産婦人科
pp.1001-1005
発行日 1955年12月10日
Published Date 1955/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201280
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
余は既に藥物冬眠法の研究の一環として本法の産科婦人科領域への応用を提唱し,
1.藥物冬眠の強化麻酔としての応用の実態
2.腰椎麻酔に見られる血圧下降,シヨツクの予防対策としての藥物冬眠による前麻酔
3.無痛分娩特に妊娠中毒症産婦の分娩への応用
4.術後鎮痛乃至麻酔への応用
等についての症例を重ねている。然し一面従来の治癒法及び麻酔法でも患者の管理と保護とに万全を期する限り差程不便を感じなかつたのであるから,敢て藥物冬眠法を用いる必要はなかろうとの疑義も起つて来る。
元来Laboritの人工冬眠法は外科領域えの応用で知られる如く脳外科,心臓外科に必要不可欠の術式であるが,共他一般の手術にはあまり用いられていない様に,本法はPoor risk patientの保護にその真価を発揮するといえる。
Copyright © 1955, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.