座談会
新生児の哺育について[3]
内藤 寿七郞
1
,
富田 とく
2
,
間宮 うら
3
,
堀口 允子
4
,
本誌編集部
1日赤中央病院小児科
2都立立川保健所
3間宮助産院
4都立世田ケ谷産院
pp.37-45
発行日 1956年3月1日
Published Date 1956/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201020
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牛乳や卵でもアレルギー
内藤 昔から注目されていることですが,乳かぶれの者を見たら喘息になりますよというと,お母さんは大へんびつくりしますね.これはりつぱな皮膚アレルギーの第1です.血清をさしたら多少よくなることを自分では経験していたが,私の末子が,15年前に生まれた時にこれが出来ましてね.湿疹はあまり興味がなかつたからほったらかしておった.初めは粉ミルクを使っていた時は白かったが戦争中に粉ミルクが少なくなったので普通の牛乳を飲ませたのです.ところが今迄はほんのわずかしか出ていなかった湿疹が突然ひどくなつてしまいました.それで,市販の牛乳と粉ミルクはなんか違うという感じをもつ様になつたのです.それからいろんなことをやってみたが之の湿疹はよくなったり悪くなったりして治らないで,家内からもすっかり信用をなくしてしまつた.(笑)私もこんなひどいのが治るかと思つた位でしたが,なるほど1年過ぎて治つたら,今度はすごい喘息持ちになつた.それで当時いいと言われていたパスパートだとかありとあらゆる療法をやりましたがだめでした.そうしていたところ偶然,牛肉なんかをやつた夜などに発作が起り易いことに気ずきました.ふつと思いついたのは乳児のとき牛乳をやったら湿疹が強くなつたことです.それで牛に関係する蛋白を遠ざけて見ようと思い,早速牛乳をやめさせると忘れたように喘息が遠のきまして,これでよかつたと思つたら終戦後に又起したのです.
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